エクスプローラーズクラブの冒険

エクスプローラーズクラブでの冒険について、当事者たちが綴るブログです。

泣いて肉をくらった21歳

目の前に広がる爽やかな空と淡い海。

ふたつの「あお」は、互いにぶつかり合うでもなく、ただ目の前で穏やかな時間を過ごしているのだ。崖の上から海を眺める21歳の若者は、その景色とは裏腹にまったく穏やかではなかった。

カタリーナ海峡。世界7大海峡の一つ。

海中にはサメなども潜んでいる危険な海峡。実際にその景色を肉眼で見ると、想像以上の迫力を感じずにはいられなかった。その迫力を目の当たりにしたときの、今まで味わったことの無い恐怖感。

人生でこんなに恐怖を感じたことは無い。人生でこんなに胸が苦しくなったことは無い。

ヨットで海峡横断するんだ!というワクワクが混じった決意と、「死ぬかもしれない」という恐怖感。そこから来る「本当にオレは渡って大丈夫なのか?」という思い。海を見たあと、21歳は、カタリーナ海峡に挑戦するクルーと食事に行った。すでにハリウッド俳優としての人生をはじめていたTOSHI奥様の出産を控えていた校長先生ノブ、そしてサポート艇に乗る部長。

米国人になったTOSHIが頼むアメリカン・サイズのステーキを頬張りながら、とつぜん、21歳は泣き出した。

大粒の涙が止まらない。21歳は自分で、「なんでこんなに泣いてるんだ?」と口にしながら、大人たちが呆れるほど空腹だけは満たしていた。怖いです。そういいながら涙を流し、半笑いし、肉をくう。

あるいは、空腹ではなかったのかもしれない。なにか、彼が自分でできるなにかの動きをすることで、懸命に平常心を保とうとしていたのだろうか。

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エクスプローラーズクラブ『オーシャンズセブン』

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