エクスプローラーズクラブの冒険

エクスプローラーズクラブでの冒険について、当事者たちが綴るブログです。

名門美術学校の教師

変態と呼ばれていた「ロケットをつくるおとこ」とツガルは、不思議に縁がある。

セルビア王室主催の『24 hours of Elegance』というガラ(パーティーのことだ)に出席したとき、彼とツガルは同室だった。どこかの国のサッカー少年団が大挙宿泊していた。最初に断っておくが、彼は草間彌生を生んだ名門美術学校の教師(給料はつまり・・)、ツガルは零細IT企業勤務(給料はつまり・・)である。ともに普通の生活をしている人間だ。

そんな二人は、セルビア王室のガラ当日、ホテルからの緊急放送に直面する。エマージェンシー、エマージェンシー。ツガルは英語が多少聴き取れるので、すぐに外に出た。館内放送が「いますぐ避難しろ」と告げていたからだ。テロにも敏感な東欧。宿泊客の動きははやく、大勢がすでに外に出ていた。どうやらなにもないことを確認して部屋に戻ったツガルは、ニコニコしながらシャツにアイロンをあてているヘンタイをみて呆れた。もしかしたら感動したのかもしれない。

この騒動は、サッカー少年団が緊急ボタンを押したことが原因だった。彼はブラックタイに着替え、ツガルは諸事情で白袴に着替え、ガラに向かう。あの騒動の中ではじめての着付けを自分でやったツガルはなかなかにイケてる。ベオグラードの街はいたるところでSting『Nothing Like the Sun』からの曲が流れていた。聞けば、もうすぐライブで来るのだそうだ。

そんな彼が気まぐれに開催するオンラインでの美術学校は抜群に知的好奇心を鷲掴みにされる時間だった。ネロの銅像をきりとっての講義は、有料でやってもよかったと思う。

彼はヨットに乗るときには冷静で、 カワムラと呼ばれている。カワムラが、風船ロケットという対象に夢中になるのは、すぐだった。

 

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