エクスプローラーズクラブの冒険

エクスプローラーズクラブでの冒険について、当事者たちが綴るブログです。

モロカイ海峡

理由

「重い」 その刹那、世界がゆっくりと傾く。そういえば、バイクで事故ったときもこんなんだったっけな。一秒という時間が、熱された飴のように引き伸ばされる、そんな感じ。ガラガラ。バシャン。奇妙なほどの静寂に包まれたハワイ沖に、タクマが船長となった…

海に出るまえにすでに寒い

アマカワは震えていた。 2月上旬、真冬の芦屋のヨットハーバー。ヨットの艤装中だ。ハーバーにはヨットが、すぐに乗れる形で置いてあるわけではない。帆を張り、ロープ類を付けて、通して、と、一つ一つの部品を取り付けていかねばならない。それを艤装とい…

どう走ったっていいんだよ

その日はひどく暑かった。 タクマが東京に来てはじめて迎える夏。照りつけるような太陽に灼かれる人々を横目に、こみ上げる高揚を抑えながら、葉山マリーナへと駆けつけた。 はじめて。 そう、人生ではじめて。タクマは今日ヨットに乗るのである。 視界に葉…

ジブセールとの出会い

アマカワと出会ったのは晩秋の名古屋。 その日、エクスプローラーズクラブの集まりがあり、そこに来ていたかれと二次会で話をした。所在なさげにしていたアマカワに話しかけたのは、ぼくのほうだったと思う。熱気に溢れる会場のなかで、なにせ存在感がなくて…

オーシャンズに最も遠い人間の、はじまり。

なんとかしてその日の仕事をやっつけて、ある雨の日、芦屋の打出駅というホームに足を下ろしたかれは、改札口で待つ爽やかな笑顔の男性に声を掛けた。 「カワムラさんですか?」 「うん。君がアマカワくん?」 お互いにメッセンジャーアプリを見合い、はじめ…